まだ知らない愛。


それから私はどうやって過ごしたかは
あまり覚えていない。

一日中家に居たかもしれないし
一日中街にいたのかもしれない。

ただ、眠れなかった。
夜中に帰ってくる母に毎日のように
与えられる罪の印。


あと少し…
明日には終わる…

私が母の男に抱かれた日から三日ほどは
罪を与えられる。
それが決まりのようになっていた。

そんな母に私はただひたすら謝ることしか
出来なくて泣くことは無かった。


このまま死んでしまおうか…

そんなことを何度も考えた。

死ぬことで私の罪は許される?

でも母は私の存在を嫌っている。

それなら死んだ方がいいんだよね…?
私が死んでも泣く人はいない。
母は私を家族と言ってくれない。
だから私達は家族じゃない。


そう思うと、私って本当に何も無いな…って
虚しくなった。



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