まだ知らない愛。
「さーくらちゃん」
校門を通り過ぎて聞こえる私を呼ぶ声。

ドクン…ッ

心臓が鷲掴みにされたような感覚が胸に広がる。


「桜ちゃんー?」
肩に手を置かれ振り返ることになった私。
呼んだのは大樹さん。

ということは昴さんも葵さんもいて、
瞬さんがいる…。
私の顔を不思議な顔で見る大樹さんは
一瞬だけ目を見開いた気がした。


葵さんたちを見るとみんな驚いた顔と
悲しいような顔をしていた。

瞬さんだけは、悲しい顔で私の瞳をジッと見ていた。
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