まだ知らない愛。
「桜ちゃん…顔の傷、どうしたの?」
悲しい顔をして聞いてくる大樹さんの瞳は
揺れていた。
どうしてそんな顔をするの?
そんなに私の顔が変?
顔の傷はだいぶ治ってるはずだし
私も普通にいるはず。
なのにどうしてそんな悲しい顔をするの…?
「え…あ、なんか公園でいたら躓いて…」
咄嗟についた嘘だったけど
「…そっか!ドジだなぁ」
って笑い飛ばしてくれた大樹さんに胸が痛んだ。
何も言わない瞬さんだったけど私をずっと
見つめているのはわかった。
でもその瞳を見てしまうと全てがバレてしまう気がして
私は目を合わさなかった…。