まだ知らない愛。
「私の体はいろんな男で汚れてる」

私のその言葉を聞くと瞬さんの瞳は
微かに揺れた。

「お母さんが毎度つれてくる違う男に抱かれてきたの」
「…」
「まだ子供な私の体でも抱かれたの…」
「…」
「どんなに抵抗しても敵わなかったの!」
「…」
「私は逃げれないの!!」
「…」
苦しい、呼吸が上手く出来ない…。
「桜」
肩で息をする私を落ち着かせるように
名前を呼ぶ。
「瞬さん」
「…」
「私は、望まれて生まれてきたんじゃない」
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