ウソツキ×ドール
「このことは、俺とほのの2人だけの秘密な?」





急に話がかわった
何、本当に急にどうしたの


とにかく





「そうだね、2人ともこの姿は秘密にしたいし」





2人の秘密ね
そう言ってあかつきに同じことを言う
そして彼は何故か右手の小指をアタシに向けた





「んっ」




お前も出せよと指示される
はいはいと心で返事をしてから同じく右手の小指を突き出す


そうすると、あかつきは互いの小指を絡め取って





「ゆーびきーり」




懐かしい約束のお決まりを歌いだしていた
指切りってなんだっけ、遊女とその客が愛しているという証拠に小指を送ったとか、なんとか

あと拳万って100だか、1000だか殴るとかそういう意味で約束破ったらその回数なぐるってらしいけど、そんなに殴ったら殴る方もきつくねぇか?って話、ほんとう




一通り歌い終えたあかつきは満足そうに笑っている
しかしアタシは幼稚園生みたいと言えば少し拗ねたかのようにあかつきは別にいいんだよと文句を言った




「あかつきの手ってさ、ちゃんとゴツゴツしてるけど柔らかみがあるよね」




なんとなく、思ったことをはっきり言ってみた
それのせいなのか、先程まで絡めていた小指を勢いよく解き顔を真っ赤にしてずっと触ってて悪かったな!!と怒っていた


何故怒る



ごめん、と後ろの方にクエスチョンマークをつけながら会話を続けるとどこかからアタシを呼ぶ声気のせいか、それで片付けれれば楽なのに




「やーさかーっち!!」

「ちわー貴子ちゃん」





反射的にいつもの業務用スマイルやらなんやらが発動する
あぁ、癖になると厄介だなぁ




「そこの人って彼氏?」





ていうか、どこかで会ったような・・・?
貴子ちゃんはそう質問してきた


あかつきと約束したばかりだし助け舟を出そう
< 43 / 43 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

ヒーローになりたかった

総文字数/13,072

ファンタジー41ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop