純粋に想い続けた結果。
「栞菜ありがとう。すごい優しいやつだな」
そして、神木直は優しく笑った。
「そう?でも、神木直も優しい人だと思うよ」
あたしがそう言ったら、神木直が顔をのぞき込んできた。
「目、赤いし。少し腫れてる……俺のせいだよな」
あたしの目に優しく撫でるように触れた神木直の手。
「別に神木直のせいじゃないから」
「あのさ、俺のこと神木直って呼ぶのやめてくんね?」
「それなら、何て呼べばいいの?」
名字で呼んだほうがいいのかな?
「……直。今度から俺のことは直って呼んで。よし、じゃ帰るか」
そして、あたしは神木直に手を引っ張られて歩き始めた。