純粋に想い続けた結果。


「最初に励ましたあの時には、もう好きだった。栞菜を初めて見た時からずっと好き」



「……ありがとう。でも、ごめん。あたしは和也のことが好きだから」



告白を断るのって、こんなにも申し訳ない気持ちになるんだなって思った。



「……知ってる。でも、これで俺のこと見てもらえるだろ?
俺、本気だから……」



「じゃ、帰るか?送るよ」



そして直は、立ち上がった。



「いや、大丈夫。1人で帰るから……」



「や、でも送るよ」



「まだ暗くないし。色々、1人で考えたいの……」



これ以上、直と一緒にいるのが気まずくて断った。



「そっか……じゃ、気をつけて」



そう言うと、直はあたしが帰るのを見ていた。

< 34 / 37 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop