SPRING ★ SPRING ★ SPRING
そして、
変わり者として名のしれた彼女が誰かに話しかけるのを初めて見た俺は、
と言うか話しかけられた事に動揺していた俺は、

「え、何か言った?」とありふれた返答をする事も

「何かの勘違い」と突っぱねる事も

「ありえない」と否定する事も

「どうして?」と尋ねる事もできなかった。


ただただ目をむいて見返す俺に彼女は続けた。


「私の事はバネと呼ぶ事。
じゃあまた明日。」


「春日?」


教室を出て行く背中にかろうじで呼びかけた俺を無視して
彼女は颯爽と出て行った。


春日泉
自称バネとの初めての会話だった。
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