生涯の人… 〜Dearest〜

廊下ですれ違っても、教室にいる姿を見ても…。

いつも寂しそうな後ろ姿ばかりだった。



何かに悩んでても決して口に出さない遥。


前にね…聞いた事があったんだ。

その時遥は、

“相談ってさ…俺に限ってかもしれないけど言っても答えは決まってるんだよ。だから相談っていうよりは決定…みたいな感じ。”





……わかるよ。

遥の言いたい事はわかる。


でも、杏奈達の言葉は助言にもならないの…?

遥を楽にする手助けにすらならない…?




少しでも頼って欲しいよ…。







「杏奈ちょっと飲み物買ってくるね」


最上階にある自動販売機。

休み時間は飲み物を買う生徒とその周りでお喋りする生徒で結構混んでる事が多い。

杏奈が着いた時には人が5、6人並んでて1番最後尾についた。




「…っつ…」


ふいに後ろから頭を押さえられて重心をかけられる。

杏奈の頭を肘置きにする人物なんて1人しかいない…。








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