生涯の人… 〜Dearest〜


旅行を1週間後に控えて…。


修学旅行で着る服を買いに凪と買い物に来た。

杏奈達の回り方は…、とりあえず先に全部見る。


凪は完全にこっちタイプで色んなお店を見てから買う事が多いかな。


だから…。





「凪ー、疲れた!!お茶しようよ、杏奈もう無理…」


歩き疲れて足が棒になるのは毎度の事。

凪は小さいくせに歩くスピードも速いから着いていくだけでも疲れちゃう。



買い物の途中で寄るのは…杏奈と凪お気に入りのカフェ【レモネード】


ここのカフェは大通りから少し外れた場所にあって、話しながら歩いてたら見落としちゃう位なんだ。

でも、雰囲気がいいの。



木目調の壁に2階に上がる階段の観葉植物。

そこにいるだけで温かい気持ちになれるような…。




普通のカフェと何ら変わらないんだけど、お喋りって言ったらやっぱりレモネードに来ちゃう。

うちらにとっての癒しの空間なんだ。





「凪さ…アンに聞きたかった事があるだ」

「うん…?何、改まって……」

「…遥くんってさ、アンの事どう思ってるだ?……凪ずっと気になってたんだよね、夏休みの事……。凪にはさぁ…、アンを取られたくないって感じるわやぁ…」




モカを飲みながら凪が聞いてきた。


正直……ドキッとした…。




だって杏奈も疑問に思ってた事だったから。


タケとふざけてた時に目を逸らした彼が、自分勝手って笑った顔。

ヘアーショーの日のあの言葉…。



どれが本当の遥の顔なのかわからないよ。





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