生涯の人… 〜Dearest〜
「カラーの講習って難しいよぉ。」
半分べそをかいた詩衣が荷物を肩からずりさげて歩いてる。
今日は、授業が終わった後にカラー講習を受けた。
サロンに入ったら絶対役に立つって事で、詩衣とあかりと3人で受ける事にしていた。
甘く見てた訳じゃないけど…、これがなかなか難しい。
詩衣じゃないけど、泣き言言いたくなるのもわかる気がするよ。
「あかり!先行ってるから。」
授業外って事で他のクラスとも合同で遠く離れた席に遥もいた。
同じ教室にいた事がないから、それだけで新鮮で嬉しかったのに…。
なのに…。
「あかりと遥は諒士の所行かないの?」
「行くよ!でもなんか遥が話しあるって言うからさ。」
講習会の後みんなで遊ぶ事になっているんだけど、遥とあかりは遅れて来るみたいで…。
何だか線を引かれた感じ。
遥とあかりが仲いいのは知ってるつもりだけど。
2人だけの空気ってゆうのがあって…、杏奈だけじゃない、皆が入り込めない事を自覚してたと思う。
友達なのに…、あかりの存在にまでヤキモチを妬く自分が疎ましかった。