生涯の人… 〜Dearest〜

「やっぱり泣いたー!」

「絶対泣くと思っただぁ!」


大笑いするタケと優しい笑顔の凪。

みんなの暖かい…暖かい気持ちが嬉しかった。



涙が止まらない最高の誕生日。

みんなに祝ってもらえて杏奈は本当に幸せ者です。







「アンー。本当におめでとな」

「タケー!ありがとう!!杏奈こんなに嬉しいサプライズ初めてなんだけど…」

「俺らからしたら仲間が喜ぶ顔が見たいってだけだしさ」

「うん、喜んだ!ハハッ!!」



2人でベランダの風に当たりながら良い気分になって話してた。

タケの柔らかい頬っぺたはお酒のせいなのか…、それとも部屋の熱気のせいなのか。

ほんのり紅くなってる。




「…んで?何携帯気にしてんだよ」

「えっ…?」


ふーって溜め息をつきながらタケに言われた。


そんなつもりなかったのに…。

もう半分無意識なのかな。


遥からメールが来ないかなぁ…なんて思う自分がいるみたい。





「送ればいいじゃん…。」

「………」

「誕生日だからおめでとうが欲しいな、とかって。いつも俺に言うみたく当たってみろよ」

「タケ…」

「アンはさぁー、当たって砕け…いや、砕けちゃまずいんだけど。とにかく当たってそれから考えろよ。…わかったらうだうだしねぇで突撃してこい!」



ぽかって頭を叩いてタケはベランダから出てった。



1人になってから静かに掌の携帯を開いた。

1分でもいい…。









遥に会いたい…。






< 126 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop