生涯の人… 〜Dearest〜
「やっぱり泣いたー!」
「絶対泣くと思っただぁ!」
大笑いするタケと優しい笑顔の凪。
みんなの暖かい…暖かい気持ちが嬉しかった。
涙が止まらない最高の誕生日。
みんなに祝ってもらえて杏奈は本当に幸せ者です。
「アンー。本当におめでとな」
「タケー!ありがとう!!杏奈こんなに嬉しいサプライズ初めてなんだけど…」
「俺らからしたら仲間が喜ぶ顔が見たいってだけだしさ」
「うん、喜んだ!ハハッ!!」
2人でベランダの風に当たりながら良い気分になって話してた。
タケの柔らかい頬っぺたはお酒のせいなのか…、それとも部屋の熱気のせいなのか。
ほんのり紅くなってる。
「…んで?何携帯気にしてんだよ」
「えっ…?」
ふーって溜め息をつきながらタケに言われた。
そんなつもりなかったのに…。
もう半分無意識なのかな。
遥からメールが来ないかなぁ…なんて思う自分がいるみたい。
「送ればいいじゃん…。」
「………」
「誕生日だからおめでとうが欲しいな、とかって。いつも俺に言うみたく当たってみろよ」
「タケ…」
「アンはさぁー、当たって砕け…いや、砕けちゃまずいんだけど。とにかく当たってそれから考えろよ。…わかったらうだうだしねぇで突撃してこい!」
ぽかって頭を叩いてタケはベランダから出てった。
1人になってから静かに掌の携帯を開いた。
1分でもいい…。
遥に会いたい…。