生涯の人… 〜Dearest〜
いつもは琉晴のが酷いけど今日の遥は琉晴より意地悪だよ。
可愛いがってるなんて…どういう意味で言ってんの?
そんな簡単に言わないで。
これ以上ドキドキさせないでよ…。
「何ニヤニヤしてんだよー…杏奈やらしぃー」
「なっ…、ニヤニヤなんてしてないもん!」
ふんって横を向いたら机の上にカメラがあった。
何枚か残ってる。
「これって…遥の?」
「あぁ、それね。今日の残り」
「ふーん……」
「……写真…撮る…?」
カメラを指しながら杏奈の事見てる。
意外過ぎて言葉が出なかった。
だって杏奈が言うならわかるけど、遥から言ってくれるなんて…ありえないよ。
「嫌なら…」
「ちょ、ちょ、ちょっと、嫌な訳ないじゃん!!撮る!」
呆れた声で笑いながらぽんぽんって自分の隣叩いてる。
隣に来い…って事だよね?
「ちょっと待って!もしかしてこれが俺からのプレゼントとか無しだよ?!」
「え…?俺そのつもりだけど……」
「えー?!」
「うるせぇ口だなぁ…。もう撮るから…」
遥がカメラをもって左手を伸ばした。
プリクラを撮った時よりも顔が近づいて…、心臓が飛び出そう。
パシャッてシャッター音が鳴って肩の力が抜けた。
はぁって力を抜いた瞬間…、遥に肩を捕まれ耳元で言われた言葉…。
「誕生日おめでとう…」
耳まで熱くなって横の遥を見たら…相変わらず涼しい顔で意地悪な笑顔で笑うんだ。
杏奈の反応を見て楽しんでる。
ドキドキしてる事が悔しい。
ドキドキしてる事が恥ずかしい。
「ありがと……」
遥の顔が見れなかった。