生涯の人… 〜Dearest〜
「おー、アン!何してんだよ」
「タケー!良かったぁ…」
歩いてきたのはタケだった。
杏奈と同じでちょっと出たら閉め出しされたみたい。
「友達の部屋行ったらルームカードを忘れてさ。ついてなくね?」
杏奈も急いで飛び出したからカードの事なんて頭になくて見事に部屋に忘れてた。
「あー、でもタケが居てくれて本当良かった」
「いや、俺もどうすっかなぁって思ってた所だったからさ…」
「杏奈が居て良かったじゃん。感謝しようね!」
「お前なぁ…お互い様ー……」
いつもはコンタクトなのに夜だからかな?眼鏡してる。
なんかちょっとステキじゃん……いいじゃん。
「タケさぁ、眼鏡男子だったんだね」
「まーな…知的だろ?」
「…………」
「おい!何か言えよ!」
眼鏡を少し上げて照れた姿を見るのは初めて。
ちょっと新鮮…。
タケにも可愛い所はあるんだなって笑っちゃった。
「とりあえずさ、ルームカードがないから部屋入れないし風呂入れねぇよな…」
「朝までロビーかなぁ…」
2人で溜め息を尽いてソファーの背もたれに肩を落とした…。