生涯の人… 〜Dearest〜
煙草を消してドライヤーをつけた。
今鳴ってる胸の鼓動が、ドキドキなのかズキズキなのか…。
もうそんなのはわからなくて。
今の現状を受け入れる事で精一杯…。
熱風を出す音から微かに、ドアが閉まる音がした。
スイッチを切って向いたそこには…。
遥1人の姿だけ…。
「…あかりは…?」
「あー、なんか気分悪いって言うし…。あかりの部屋のチャイム押したら人出て来たから…帰して来た…。」
どうしていいかわかんなくて、返事が出来なかった。
だって…2人っきりって事だもん。
あかりが部屋に入れたなら、そこで寝かせてもらえばいいって選択肢もあったよね…。
けど…、言えない。
言いたくない…。
「そ…なんだ…。」
「んあ…。あのさ…、俺も風呂入るから…そこのベットで寝ていいから。」
「あっ…うん、ありがと。」
バタンって音がしてお風呂のドアが閉まった。
洗面所のドアを閉める時、
「覗くなよ!」
ってニヤっとした顔に、不覚にも…杏奈の心臓が、最大級にドキドキしてしまった…。