生涯の人… 〜Dearest〜
真っすぐ見つめる遥の期待に応えたいって思った。
絶対、絶対成功させたい。
このヘアーショーは杏奈にとって意味のある事。
きっと…、終わった時に何かが変わる気がする。
「…任せてよ。…どこよりもうちらが1番良かったって言わせてみせるから…」
「…クハッ…すっげー自信…じゃあ安心だな」
くしゃって顔を緩めて笑う笑顔に胸がぎゅうって苦しくなる。
どうしてこんなに好き…とか、もう理屈じゃないよ。
遥の存在が杏奈を幸せにする。
好き、好き、好き。
「ねっ、ねっ、チーム名とか決まってんの?」
「あれ?俺さっき喫煙所で言わんかった?」
「えー、聞いてないよぉ…」
詩衣と琉晴が今さらって感じの会話をしててあっくんが笑ってる。
でも確かに聞いてないから杏奈も知りたいかも…。
「一応Loversで決定なんだけど人数も増えた事だしなぁ……7-loversにしちゃおっか?」
「おっ、えぇやん。なんかそっちのがカッコつくでな」
遥の安易な一声で決まったチーム《7-lovers》
これから先に起こる辛い想いを知っていたとしても。
杏奈の決断は間違っていないって思えるよ…。
今でも、感謝してるんだ。
このチームの一員になれた偶然の出会いに。