生涯の人… 〜Dearest〜
しばらく2人で話した。

話してみると還奈さん……、還奈ちゃんは落ち着いた見た目とは違ってすごく笑う人だった。


よく見た目では冷たい人に思われる…って嘆いてた。


そのギャップがいいのかな…?

こういう飾らない所が魅力なのかもしれない。




「ん…、あれ?時間だ。アンちゃんあたし彼氏が見に来てくれてるの。待ってるからそろそろ行くね!!」

「えっ?えっ、彼氏?」

還奈ちゃんは荷物を持って手を振ってる。



やっぱり彼氏いたんだ…。

でも、遥は知ってるの…?







「還奈ちゃん!!…あの……」


思わず声を掛けたけどそこから先が続かない。

だって…何て言えばいいの?


遥は知ってるのか…なんて……杏奈が立ち入る事じゃないのに失礼すぎる。



「アンちゃん…?」

首を傾げて杏奈の言葉を待ってる。


何て言えばいいかわからなくて言葉に詰まってたら、

「還奈!彼氏待ってんだろ?!下まで送るから!」





遥の言葉に……、正直驚いた。





「うん、今行く!アンちゃん大丈夫…?あたし行かなきゃだからさ……」

「……あっ…はっ…、大丈夫!ごめんね!…また会おう!!」


もちろんって手を振って遥が居た階段の方に歩いていった。






遥は…、知ってたんだ……。


それでも還奈ちゃんをモデルに使いたかったんだ。













すごく強い人だと思った。

遥の心の強さを感じた。



「はぁぁあぁあー………何だよ、もー……疲れた…」


今までの疲れと緊張の糸が切れたみたい。

崩れるように膝から床に落ちていく。



ビールを一気に飲み干して壁に頭を預けたら…ひんやりした風。



目を閉じた……。





今日までの日々が蘇ってくるみたい。



こんなに充実した日々は初めてだった。

杏奈、成長したよね…?





遥と同じラインに立ててるって…今なら思えるよ。




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