生涯の人… 〜Dearest〜
目を閉じて睡魔に襲われかけた時ひんやりした感触が頬を覆った。
「寝るなー!!」
杏奈の頬っぺたにはビールが押し付けられてて悪戯な笑顔をした遥がいた。
還奈ちゃんの彼氏の事なんて気にもしない顔で…。
相変わらず、杏奈の心を一瞬にして奪っちゃう。
「冷たっ…ふん…もう……」
「杏奈が寝てるからだろ?」
「…………」
「おーい、杏奈ちゃーん?」
「…………」
「ぅおいっ!何で無視してんだよ?」
「ねぇ……遥はさ……還奈ちゃんに彼氏いたの知ってたの…?」
急に…優しい顔に変わった。
今、遥の顔が変わったのがわかったよ。
立ち上がってカラカラって小さい窓を開けた。
ポケットから煙草を取り出して白い煙りが上がるのを…黙って見つめてる。
杏奈を見下ろしながら呟いた言葉…。
絶対に忘れない……。
「何だよ、その事?……んー…まぁ、そりゃ悔しいけどさ…。俺は今の自分が好きだから…大丈夫だよ。それだけ今の仲間に支えられてるから大丈夫」
「…そっ……か…」
「そっかじゃねーよ……」
「……?」
「杏奈もその1人!!……ありがとな……」
杏奈でも力になれてたの?
遥の支えになれてた…。
ねぇ……、こんなに嬉しい事ないよ。
そんなふうに感じてくれてありがとう。
「なんだー…そっかぁ……杏奈も力になってたんだねー…そっか、そっかぁ……」
涙が零れそうだった。
しゃがみ込む足元に目線を落としながら見えないように涙を拭った。
こんなふうに笑える日が来るなんてさ…。
ショーが始まった時は考えられなかった。
杏奈を変えてくれた仲間に出会えた事が。
感謝しきれない位の“ありがとう”に包まれてる。
「ありがとう……」
誰にも聞こえないように……そっと、呟いた。
「寝るなー!!」
杏奈の頬っぺたにはビールが押し付けられてて悪戯な笑顔をした遥がいた。
還奈ちゃんの彼氏の事なんて気にもしない顔で…。
相変わらず、杏奈の心を一瞬にして奪っちゃう。
「冷たっ…ふん…もう……」
「杏奈が寝てるからだろ?」
「…………」
「おーい、杏奈ちゃーん?」
「…………」
「ぅおいっ!何で無視してんだよ?」
「ねぇ……遥はさ……還奈ちゃんに彼氏いたの知ってたの…?」
急に…優しい顔に変わった。
今、遥の顔が変わったのがわかったよ。
立ち上がってカラカラって小さい窓を開けた。
ポケットから煙草を取り出して白い煙りが上がるのを…黙って見つめてる。
杏奈を見下ろしながら呟いた言葉…。
絶対に忘れない……。
「何だよ、その事?……んー…まぁ、そりゃ悔しいけどさ…。俺は今の自分が好きだから…大丈夫だよ。それだけ今の仲間に支えられてるから大丈夫」
「…そっ……か…」
「そっかじゃねーよ……」
「……?」
「杏奈もその1人!!……ありがとな……」
杏奈でも力になれてたの?
遥の支えになれてた…。
ねぇ……、こんなに嬉しい事ないよ。
そんなふうに感じてくれてありがとう。
「なんだー…そっかぁ……杏奈も力になってたんだねー…そっか、そっかぁ……」
涙が零れそうだった。
しゃがみ込む足元に目線を落としながら見えないように涙を拭った。
こんなふうに笑える日が来るなんてさ…。
ショーが始まった時は考えられなかった。
杏奈を変えてくれた仲間に出会えた事が。
感謝しきれない位の“ありがとう”に包まれてる。
「ありがとう……」
誰にも聞こえないように……そっと、呟いた。