生涯の人… 〜Dearest〜

大人になる事


ショーが終わってから……遥と出会って2度目の冬。



年明けから授業内容は国家試験に向けての強化勉強が組まれてた。

勉強が嫌いな杏奈もこの試験からは逃げる事が出来なくて、毎日のレポートに追われる日々。


普段勉強しないせいなんだろうけど…。



やり方がわからない。

どこを集中的にやればいいのかわからない。



わからないだらけの日常にうんざりだった…。




ずっと楽しかった学校生活に終わりを感じ始めてる。


永遠に続く訳ないのはわかってるよ。

でも…、不安と焦りが拭いきれない。


先の見えない未来が怖くてがむしゃらに勉強してないと追いてかれそうだった…。






勉強に関しては琉晴に聞くのが1番わかりやすい。

口は悪いけど最後までちゃんと教えてくれるし。


なんだかんだで頼れる奴。




放課後諒士の家で勉強する事になった。

諒士の家に来るのは久しぶり…。



ショーが終わってからは皆の時間がなかなか合わなくて前みたいに一緒にいる事は出来なかったから。







「お前は何でそんなにアホなん?こんなん授業聞いとったらわからんか?」

「………」


開始してから5分…、相変わらず厳しい琉晴の罵声が飛ぶ。



「だって…授業聞いてたってわかんないんだもん…。でもそっか……どうしよ………杏奈本当にバカなのかもしれな……いたっ!」


ポーンって消しゴムが当たった。

しかもおでこにクリーンヒット…。


琉晴を見たら呆れた顔で杏奈を見てる。

「早よやれ……」

「痛い…」

「お前がアホな事ばっかり言っとるからなー」

「……痛い…」




鋭い目つきに追い込まれて次のページを開いた時…


「アン……」

「んー…?」


諒士の家なのに今は杏奈と琉晴の2人だけ。

諒士は補習があって鍵だけ借りてお邪魔してる。


琉晴は…、2人になると真面目な話しをしたりする。


どんなにいじられてもバカ扱いされても…琉晴の事が好きなのはこんな一面を知ってるから…。



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