生涯の人… 〜Dearest〜
夕焼けが似合う遥。
いつも隣で見てた…。
悲しくて涙が出るのは当たり前。
離れる事が淋しいのはみんな同じなんだ。
―俺等らしい卒業式―
きっと笑って…“またね”が出来る。
永遠の別れじゃないよ。
「じゃぁ、卒業式でね……」
「おー…」
「寝坊しないんだよ?」
「んぁ…、わかってるって…!」
「んっと、あと……」
「大丈夫だから。…ったく……俺と別れるのが名残惜しいのはわかるけど、ほら電車来たぞ」
「なっ、違うもん!遥遅刻魔だから心配で…」
「はいはい、またな」
結局いつもみたいに戻ってる。
あんなに泣いたのが嘘みたいな帰り際だよね。
気使い屋な遥が作る空気にまた助けられちゃった。
遥と別れた車内で流れる町並みを見つめた。
電車から見える景色を忘れないように…。
ずっと外を見てた。
沢山の思い出が詰まった帰り道を…。