生涯の人… 〜Dearest〜


ばあちゃんの駅から学校までは電車で15分。

袴を着てるせいかな…。


一般の人の視線を浴びながら1人電車に揺られた。




専門学校に入学して2年…。

こんなに楽しい学校生活は今までなかった。

もう一度過ごしたい、って思える学校は初めて。



同じ夢を持って、同じ目標に向かって歩いた仲間。


挫折しそうな時でも、クラスの仲間に支えられてたんだ…。




杏奈の大切な人達。


明日からは、1人1人…。


別の道を歩いてく。





電車からの景色が思い出を溢れさせて目頭が熱くなった。







―♪♪〜♪〜♪♪―



「ぅわわっ、あれ?どこだ?」

携帯のメール着信音が鳴って慌てて受信Boxを開いた。

マナーモードにし忘れてたせいでかなりの注目浴びてるし…。




「…左の車両…?」







受信相手はあかりでメールの内容にはその一言だけしか書かれてない。

とりあえず首だけ動かして覗き込んで見た先には…。




あかりと琉晴が手を振ってた。








当たり前の光景。


だけど全てが愛しくて…。







目を細めて笑った。





< 192 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop