生涯の人… 〜Dearest〜
「琉晴…今日って卒業式だよね…?」
杏奈の冷ややかな視線に気付いたのか頭の上で大きなため息が聞こえてた。
琉晴の左手が動くのが見えてじりっと後ろに足を引いた時…。
「アン……お前は最後まで…」
言葉が終わる前に首ねっこを捕まれた。
多少は手加減してるみたいだけど男の痛いと女の痛いじゃ全然違う。
「このままやられるか?謝るか…?」
「謝ります…謝ります……むしろ謝らせて下さい…」
選択の余地も与えない琉晴の瞳が刺さるように見下ろしてる。
「うん……、人間素直が1番やな…」
そう言いながら鼻唄を歌う俺様。
きっと何年経っても杏奈と琉晴の上下関係は変わらないんだろうな…。
多分……。