生涯の人… 〜Dearest〜
くしゃくしゃって頭をかいてる顔。

照れてくしゃって笑った瞳。



「寝る!!」


そう言って、杏奈の膝の上に頭を乗せてきた遥。



「ちょっと?!何して…」



遥の香りがフワッとして心臓が止まりそうになった。

こんな事…ダメだよ。




照れ隠し?ただ甘えてるだけ…?




頭ではダメだってわかってるのに。
可愛くて愛しくて…。


そっと遥の髪を撫でた。











こんな光景…変なの。

ずっと触れたかった人が今杏奈の膝で寝息立ててる…。





「呑気に寝ちゃってさ…。人の気も知らないで。」



頬っぺたをぐにって突ついた。

柔らかくて少し赤くなった頬っぺたがさらに愛しさを増してく。



いつも杏奈の心を揺らすくせに…。


どうせ今日も…、何食わぬ顔で帰っちゃうくせに。







こんなにドキドキしてるの、きっと杏奈だけだよ。






だから言わない。

膨らみそうな心も…。






見ない。

貴方が腰に回した力強い腕も…。




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