生涯の人… 〜Dearest〜
凪と一緒にいつもの公園に来た。
遊具なんてなくて、あるのはベンチと木陰と水飲み場位。
公園って呼べるのかさえ微妙な所。
でもここは2人だけの場所。
凪が誘う時は…
大事な話がある時。
「なぁ…、遥くんとどうなった?」
コンビニで買ったプリンを食べながら凪が聞いた。
凪には何でも話してて、告白の事も…そこまでの経過も知ってた。
「何も…。普通に友達やってるし、今まで通りだよ…。」
杏奈が告白したからって何かが変わった訳じゃない。
遥には想う人がいて…、うちらの距離感は変わらなくて。
相変わらず寂しそうに笑う瞬間を…、杏奈だけが知ってる。
寂しげな横顔は…あの人を愛しくさせる。
抱きしめてあげられない関係がもどかしくて。
側に居るのに…心は遠く感じてた。
何も言わずに前だけを見つめたまま、凪は最後のプリンを頬張ってる。
諦めろって言われるのかな…?
凪も反対するのかな。