生涯の人… 〜Dearest〜






やっぱり……杏奈の気持ちはわかってた。



遠く離れた彼にも伝わってた。












震える手で封を開けた。



中に入ってたのは……



アイボリーの封筒。




幸せを願う、優しい色…。







この手紙の為に買ってくれたのかな…。

書き物が苦手な遥がくれた手紙。


杏奈ね、遥の字なんて数える位しか見た事ないよ。



まさに男の子の字。

あまりの汚さに杏奈が笑った事があったよね。


遥は拗ねながら…唇を尖らせてた。





そんな日々が脳裏を掠める。




綺麗に3つ折りにされた手紙を開いた。



書きなぐった文字。

相変わらず…癖のある汚い字だね。

でも……杏奈の事を考えながら書いてくれたんでしょ…?




涙で視界がぼやけてくよ……。

まだ読み始めてもいないのに喉の奥から込み上げてくる感情を止められない。




「…ふーーーっ………」



深く深呼吸をした。

涙を拭って……、最初の文に気持ちを切り替える。















やっぱりダメ……。






涙が止まらない。











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