生涯の人… 〜Dearest〜
「…忘れてないよ。
あの言葉を忘れる訳ないじゃん…。」


杏奈と凪で決めた合言葉。

いつも笑っていようって決めた合言葉…。





笑う事は簡単な事じゃないんだよね。

辛くても笑える人の方が強い。
弱さを隠して笑える人の方が何倍も…。



凪、ごめんね。
いつも…、言いたくない事まで言わせちゃうよね。




「だったら笑わな!!
凪さぁ、アンの馬鹿みたいに口開けて周りまで巻き込んじゃう笑顔が大好きだで。」


周りの人に大声で叫びたかった。
これが杏奈の大切な親友なんだよーって。

凪みたいになりたいってずっと思ってた。

居るだけでパッと明るくなる、ヒマワリみたいな人。
凪が笑うだけで友達がどんどん集まってくる。



凪は…、杏奈の憧れであり自慢したい親友なんだよ。



そんな彼女に親友って言って貰える事がどんなに嬉しいか…。


多分…、絶対に凪はわかってない。



でも、いい。
うちらの関係はどれだけ大事なの?って探り合うんじゃなくて…。

自然に…、居るのが当たり前な位がピッタリな気がする。



「凪の馬鹿笑いには負けるけどね…。」

「アンの方が馬鹿笑いだだよ。」



右手を振りかざして叩く真似をする凪。
でもそんなの全然怖くないよ。

むしろ凪の照れ隠しなんだって事位わかってるんだ。




「まぁ…、何にしても諦めないで最後までやるだゃ。
凪はいつも側にいるで。」

「…フフッ…うん。…ありがとね…。」



いつも最後の一押しをくれる。
ありがとう…。変な方言の親友。

凪が杏奈の親友で本当に良かったよ…。




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