生涯の人… 〜Dearest〜
「そうだ!あかりと琉晴上手くいったんだって?
ったく、周りのがヤキモキするっつーの。
まぁ…でも…、よかったよな。」
星を見上げる遥の横顔は…、切なかった。
誰の事考えてるの…?
還奈さんの事想ってる?
杏奈に入り込める隙間はないのかな…?
少しだけでいいから、杏奈を入れて欲しい。
そうすれば、そんな辛そうに笑わせない…。
悲しい顔させたくないよ。
無理して笑ったりしないで……。
杏奈ね、遥の横顔ばかり見てる気がするんだ。
正面の顔を覚えていたい。
だって……
目を細める貴方は…
口の端だけで笑う貴方は……
すっごく寂しそうだよ…。
遥を見つめながらそっと手を繋いだ。
驚いた顔をして、でも…。
「なんだよ酔っ払ってんの…?
しょうがねぇなぁ…、諒士ん家着くまでな。」
「…うん。」
握り返した手の暖かさに…、目の奥が熱くなった。
やばい…。涙出る。
遥の還奈さんへの想いが、言葉にしなくても流れ込んでくる。
切なくて…、苦しい。
そう…叫んでる。
初めて手を繋いだんだ。
大好きな貴方と…。
ドキドキで壊れると思った心臓は、ズキズキが融合して…、言葉に出来なかった…―