生涯の人… 〜Dearest〜
ふーって煙りを吐く音が聞こえた。
真っ暗な部屋で頼りになるのはテレビの光りだけ。
クリスマスパーティー兼遥のBIRTHDAY PARTYをした後、詩衣が借りてきたDVDを見た。
隣に座る遥が気になって、神経は左にばっかり集中してる…。
服が触れる位の距離でドクンドクンって心が波打つ。
これじゃ心臓が大変だよ…。
ドキドキして内容なんて頭に入らない。
だって…、少し動くと肩が触れる。
遥が煙草に手を伸ばすと肘が当たる。
この時間がもったいなくて…映画なんて見てるフリしか出来なかった…。
今まで…何度願ったかな…?
遥と一緒の時間を過ごす度に、時間が止まって欲しい…。
それが無理ならもっとゆっくり針動けー……って…ね。
今…この時この空間を……
フィルムに入れて永遠に止めて欲しいよ…。
いつでも取り出せる記憶の断片…。
貴方だけの…、アルバム。