生涯の人… 〜Dearest〜
好きより強い言葉
学校の冬休みは2週間。
今日は子供の時から仲良しの従姉妹と会う予定。
従姉妹のアユミは3歳下で母親同士が姉妹って事もあって杏奈達も仲が良い。
昔は喧嘩した事もあったけど、大きくなってからは恋愛の相談したり友達の相談したり…。
まるで本当の姉妹みたいに育ってきた。
アユミの両親が離婚してるって事もあって、うちのお父さんが小さい時から色んな所に連れ歩いてたからね。
従姉妹って名前なだけで家族同然の仲だった。
「あっ、いた!ごめんー!」
「アン姉遅いー…」
アユミお勧めの店。
茶色のレンガに囲まれてて所々に緑のツタが見える。
黒いアーチを潜ると小さなデイジーが庭一面に植えられていた。
「すっごいこの店オシャレ……、女の子に人気あるのわかる気する…」
薄ピンクのナプキンを膝に置きながら周りを見渡した。
隣の席はカップルで来てて、男性のナプキンはグレー。
お客様によって色を使い分けるのかな?
杏奈もカップルで来てたら「ナプキンの色違うねー、そっちの色も可愛い!」とか言ってるんだろうな…。
「でしょ、でしょ!絶対アン姉好きだと思ったんだぁ」
メニュー表を開きながらアユミが笑った。
手にしたメニュー表は木の葉の形をしてて本当に杏奈好み。
杏奈もお気に入りの店にしようかなって考えてた。
「で?話したい事って何?何かあったのー?」
「…うん。…何かってゆーか…、まぁ…ね……」
携帯を開け閉めしながら杏奈と目を合わせようとしない。
こんなアユミは久しぶりで本当にどうしちゃったのかな…?