生涯の人… 〜Dearest〜

好きより強い言葉


学校の冬休みは2週間。

今日は子供の時から仲良しの従姉妹と会う予定。



従姉妹のアユミは3歳下で母親同士が姉妹って事もあって杏奈達も仲が良い。

昔は喧嘩した事もあったけど、大きくなってからは恋愛の相談したり友達の相談したり…。

まるで本当の姉妹みたいに育ってきた。


アユミの両親が離婚してるって事もあって、うちのお父さんが小さい時から色んな所に連れ歩いてたからね。

従姉妹って名前なだけで家族同然の仲だった。



「あっ、いた!ごめんー!」

「アン姉遅いー…」




アユミお勧めの店。


茶色のレンガに囲まれてて所々に緑のツタが見える。

黒いアーチを潜ると小さなデイジーが庭一面に植えられていた。



「すっごいこの店オシャレ……、女の子に人気あるのわかる気する…」

薄ピンクのナプキンを膝に置きながら周りを見渡した。

隣の席はカップルで来てて、男性のナプキンはグレー。




お客様によって色を使い分けるのかな?

杏奈もカップルで来てたら「ナプキンの色違うねー、そっちの色も可愛い!」とか言ってるんだろうな…。



「でしょ、でしょ!絶対アン姉好きだと思ったんだぁ」

メニュー表を開きながらアユミが笑った。

手にしたメニュー表は木の葉の形をしてて本当に杏奈好み。

杏奈もお気に入りの店にしようかなって考えてた。




「で?話したい事って何?何かあったのー?」

「…うん。…何かってゆーか…、まぁ…ね……」



携帯を開け閉めしながら杏奈と目を合わせようとしない。

こんなアユミは久しぶりで本当にどうしちゃったのかな…?




< 45 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop