生涯の人… 〜Dearest〜
声が聞きたい
「今日すっごく冷えるみたいだから暖かい格好で行きなさ…ってあんたはー、またスカートなんて履いて…。知らないよ?」
「大丈夫。大丈夫。
じゃあ行ってきます!」
今日は12月31日、大晦日。
天気予報を見てから家を出た。
北風が強くなり夜は零度になるでしょうってお天気お姉さんが言っていた。
お母さんに呆れられながら出た外の風は一瞬で鳥肌が起っちゃう位寒くて、ちょっと失敗したかも…って後悔した。
空は薄暗くて灰色の雲が滲み始めてる。
冬独特の木枯らしの匂いがして、駅までの道を猛スピードで駆け抜けた。
いつも学校で一緒のあかり、詩衣、そして南。
南は杏奈と同じで実家通いだから放課後あまり遊べない。
でも今日は、大晦日でオールする予定だから参加してくれたんだ。
年が明ける前に集合してカラオケでオールする予定になってる。
友達とこんな風に過ごすのは初めてで、嬉しいような…恥ずかしいような。
何だかドキドキした。