生涯の人… 〜Dearest〜
待ち合わせ場所の横浜に着くと人がごった返してた。
田舎育ちの杏奈にとって、都内の人はすごい急ぎ足に感じる…。
この時間の流れが速いのが慣れなくて、どうも都内は緊張するんだ。
何とか人の波を抜けて向かった先には…。
「アンー。こっちこっち!!」
赤いオブジェの下であかりが手を挙げてた。
さすが待ち合わせ時間には正確なだけあって10分前行動。
杏奈も手を振りながら、あかりの元に向かった。
「お待たせー。詩衣と南は…、まだか……」
「あたしが1番乗りだった。まぁ家近いから当然だけどね。」
あかりは今年彼氏と過ごす初めての年末なのに、杏奈達と過ごす事を選んでくれた。
ってゆうのも琉晴は地方人。
クリスマスが終わってから地元に帰ったみたいで、誘われたみたいだけど大丈夫って笑ってた…。
「今日は琉晴と一緒じゃなくてよかったの?
せっかく誘われたのに…。」
「いいの、いいの。琉晴も地元の友達と会うの久しぶりだろうし、何よりあたしが皆と過ごしたかったのー。」
顔の前で両手を振って、あっけらかんとした笑顔を見せる。
本当この2人は周りに気を使わせないのが上手いんだから…。
あかりがこうやって笑ってくれてるおかげで、杏奈達も誘いやすかったりするんだよ。