生涯の人… 〜Dearest〜
「おめでとうー!!」
隣の部屋から聞こえた声にあかりが大声で返した。
「あかりうるさいー!」
「ブフッ…てゆーか返事するとかあかり位だから!」
皆で笑った。
こんなに笑ったのは初めてって位…。
楽しくて、涙が出そうになる。
こんな最高の仲間が居る事に…胸がいっぱいになった。
「はい、はーい。あけおめだね!今何してんの?…うん……えっ…ブッ…アハハハ」
あかりが誰かと電話し始めて、詩衣も南も「あっ、あたしもー」ってメールを打ち始めた。
自分達の想い人に…。
ちょっとトイレって部屋を出た。
携帯から遥の番号を表示させて通話ボタンにも親指を乗せる。
どうしても声が聞きたいよ…。
会えなくてもいいから、声だけでも繋がりたい。
どうか…。
この電波をあの人に繋げて下さい。
届かない想いよ…繋がれ。
ドキドキしながら通話ボタンを押して受話器を耳に当てた。
あの人に通じる音が、胸の鼓動と同化する。