生涯の人… 〜Dearest〜
実は前に杏奈も起こした事があったけど、相当怖い思いをしたっけ…。

恐ろしく不機嫌でとばっちりくう事間違いなし。



「…ふぁっふ……」


眠りが浅かったのか諒士の起こし方が良かったのか…。

すんなり起きた遥。


背伸びしたまま片目を開いて、左側の頬っぺたには洋服の線がついてる。

可愛い…なんて思いながら、寝ぼけた遥を横目にペンを動かした。





「休憩しよっか…」

「ワーイ!お菓子食べよっ。ほらっ、アンと琉晴も終了して!!」

1番に教科書を閉じた詩衣がウキウキして台所に行った。


「ここまででわからん所ある?大丈夫やったら俺らも休憩」

「あっ、琉晴待って!…っと、ここは何を代用すればいいの?これ?」


琉晴は怖い所あるけど…、勉強の教え方は上手だと思う。普段は意地悪だけど、男として締めるべき所があるって奴…。


ちょっと…かっこいいよね。


メリハリがあるというか、アメとムチの使い方が上手いというか…。






「ここは…さっき言った公式を代用して……」

「うん…うん……あー、なるほどね。うん…わかったかも。ありがとう」

「おぉ…、じゃあ俺らも休憩な」



杏奈も教科書を閉じて台所に行ったら、詩衣とあかりが楽しそうに箱からお菓子を出してた。

さっき来る時に買ったシュークリーム。



冷蔵庫から飲み物を出そうとして開けた時…





「何これ?!何で飲み物がないの?」

「ちょっと諒士ー。ありえないんですけど…」


何故か麦茶すら入ってなくて、飲み物自体が1つもなかった。

いつもお世話になってる諒士の為に…、ここは杏奈が。




「じゃあちょっと買ってくるよ!」

「あっ、アン行く?俺も煙草ないし行くわ」


財布を持った琉晴が玄関に来て、一緒に家を出た。




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