生涯の人… 〜Dearest〜

遥と2人で遊ぶなんて今までなかった。

多分…ドキドキして何喋ってるのかわからなくなっちゃう。


だってね、遥といると心臓の音が止まらないんだ。
びっくりする位速度を上げて、止む事を知らない位に高鳴って…。



見つめられたら倒れちゃう。





「そっかぁ…。うん、そうだよね…。
話さないと相手の気持ちなんてわからないよね。」

なんか当たり前の事だけど納得。
うんうんって頷きながら歩いてると…


「アンは…遥と出掛けたりせんの?」

「…………」

「まぁな…。俺は人の恋愛には口出しはせん…」

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと!何?…何で遥?」

「…は?……お前今さら…。」」

「だっ、だってびっくりする!!杏奈…はる、遥が好きなんて、一言も…」

「あほう…。あれだけ露骨に出てれば誰だって気づくわ。」


うわーって言いながら頬っぺたを包んだ。
顔のすぐ横でおでんの容器が揺れてこぼれそうになってる。

っていうか杏奈ってそんなに好きって出てるの?なんかそう言われると恥ずかしいんですけど…。



「このままじゃ何も変わらんし、少しお互いの事話したりする機会作ってみるといいかもしれんな。」

「…うん、そだね。」


いつもいじめっ子の琉晴も真剣な話になるとかなり頼れる男に変身する。



コンビニからの帰り道、坂を上りながら…


「まぁ、頑張れ。」


って頭を小突かれた。

ちょっと…。それは不意打ちだよ。
いつもと違う琉晴の態度に言葉では伝わらない優しさを感じる。


「琉晴ってさ…。実は杏奈の事好きだよね。」

「はぁー?遠慮しとくわ。
お前に恋心抱く事は…うーん……、やっぱないな。」

「嘘っ!絶対ちょっとはあるでしょ?」

「なーいて。これから先も絶対ない。」


琉晴の優しさに照れて言った一言だったのに、あまりにも否定されてムキになった。
小突かれた頭が痛かったけど…。




でも…、それが流晴の愛だってわかってるから。


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