生涯の人… 〜Dearest〜
「本当は?ねぇ、少しも好きにならないの?」
「だーっ!!ほんまうっといなぁ…。」
「琉晴のケチ!嘘でも言ってくれたっていいじゃん!」
「プッアハハッ…あー、うっとい。…ハハッ、アンもう黙れ、なっ。」
琉晴とじゃれ合いながら諒士の家に着いた。
最後の方はどうでもいいのにお互いただの言い合い。
でも琉晴とはこんな感じのが落ち着くから…。
これからもずっとこんな関係でいたいな。
玄関で叩かれて頭をさすった。
部屋に入ると待ってました、って言わんばかりの遥の笑顔。
あの笑顔…大好き。
笑うと目尻が下がって細くなる。
形の良い唇が大きく開くんだ。
杏奈だけが知っておきたい位の笑顔…。
誰にも見せたくないし、いつか杏奈だけに見せてくれたら…。
そう…思わずにはいられない。