生涯の人… 〜Dearest〜
杏奈の選ぶ恋が簡単な道じゃない事、最初からわかってた。

他の誰かを強く想う気持ちには勝てないのかもしれない…。



でもさ…恋をする事はプラスになるんじゃないの?


ただ…好きでいる事まで拒絶しないでよ。



受け入れてもらえない気持ち、遥が1番知ってるじゃん。






「ごめん…。」

小さくて掠れた声がした。遥の声じゃないみたい…。

ぴゅーって風の音と一緒に流されちゃいそうな、そんな…“ごめん”




「俺の事、好きでいてくれてありがとう…。」





遥の顔が見れなかった…。

そんなふうに言ってもらえると思わなかったから。
だって、杏奈の気持ちなんて遥にとったらどうしていいかわからないでしょ…?

ありがとうなんて…。
杏奈が言いたい位なんだよ?





< 92 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop