同居相手は黒猫くん
「刹もお母さん達に甘えなよー」
私がそう言うと、刹は私を見つめてきた。
…え。
何?
「比乃に甘えるのは?」
そう言ったかと思えば、刹はまた私を布団の中に連れ込んだ。
私は刹によってまた布団に包まってしまったのだ。
「ちょ、もう刹!」
「甘えていーんだろ」
刹はそんなことを言いながら私にグイッと顔を近付けた。
!?
ま、またキス…!?
と、私は慌てて目をつぶった。
「ばーか」
そっと目を開けると、刹はニヤッと笑って私の頬を舐めた。
「キスされると思った?可愛いなー」
ケラケラ笑いながら刹は私を抱き締める。
私はいろんな意味で恥ずかしくなり、顔を赤くした。
馬鹿!
刹の大馬鹿!!
「はぁー…俺やっぱ比乃がいい」
…へ?
刹は私を抱き締めながら、至近距離で見つめてくる。
……う、恥ずかしい…。
「な、何がっ?」
「さあな」
刹はそう言うと、私の頭に顔を乗せた。
……さっきの、刹が寂しがってたのは分かったけど…。
こういう時の刹は何考えてるかほんとに分かんないや……。