同居相手は黒猫くん
「ふーん…」
私の顔をじっと見つめる佐久間くん。
そしてパッと表情を笑顔に切り替えた。
「そっかー!いいなー刹」
そんなことを言い出す佐久間くん。
とんでもない発言だ。
私は顔を赤くする。
「こらこら佐久間くん。比乃にそれは刺激が強い」
「そう?」
みっちゃんに言われた佐久間くんは子供のように笑った。
……ていうか、さっきからずっと隣の刹が私の服の裾を掴んでくるんだけど。
テーブルを挟んでいる為、それは二人には気付かれていない様子。
刹の方を見ると、刹も私を見てきた。
「…何?」
「いや、あの…これ…」
「嫌?」
「い、嫌じゃないけど……別に」
と言うと、「ならいいじゃん」と前を向き直した刹。
……掴めないなぁ。
たまにこそばそうとしてくるので、私は慌ててその手をはたく。
「俺ドリンクバー行ってくる」
「あ、じゃあ私もっ」
佐久間くんが立ち上がり、私も続けてドリンクバーに向かった。