同居相手は黒猫くん
次の日。
佐久間が比乃に告白をした。
らしい。
まあわざわざ屋上に呼び出すくらいだから、告白だろうとは予測できたけど。
さすがに少し焦った。
佐久間は中学の頃から比乃と一緒だったらしく、多分その時から比乃が好きだったんだと思う。
佐久間はすごくいい奴。
キモいくらい優しくて、いつも笑顔で、明るくて、女子にも男子にも人気があるらしい。
…それが理由で焦ったわけじゃない。
ただ、佐久間は比乃を好きになって欲しくなかった。
誰が比乃をどう思おうが勝手なのは知ってる。
つか当たり前。
でも、最後までそうであって欲しくないと思ってた。
佐久間はいい奴。
柄にもなく苦しくなった。
それでつい比乃に当たってしまって。
「ていうか喜び過ぎてキモい」
情けなさ過ぎる。
藤枝(みっちゃんとかいう奴の苗字らしい)に「刹くんちょっと言い過ぎよ」と言われる始末。
比乃に当たるなんてもうしたくない。