同居相手は黒猫くん
夜比乃の部屋に行くと、比乃は佐久間に言われたからではないと言った。
多分嘘ではないだろうけど、果たして本当にそうだろうか。
まあ馬鹿な比乃に正解を期待するのも骨折り損のくたびれもうけ。
無駄なストレスを貯めそうだ。
「じゃあ比乃は俺とキスできんの?」
明らかに比乃は恋した乙女(笑)には程遠い反応をしてる。
俺がした質問にも曖昧な返事しかしない。
「…で、できない」
「やっぱりな」
「……あれ、じゃあこれって私…、好きじゃないってこと?」
「比乃がそう思うならそうだな」
比乃は俺のことが好きではない。
今の比乃を見る限り、これがしっくりくる。
比乃も納得したようだった。
別にどうでもいい。
比乃が俺のこと嫌いじゃなければ。