同居相手は黒猫くん
――「はい。メロンソーダ」
「え、これ」
「奢り!せっかく柴咲と遊べたしね」
比乃と佐久間が和やかな雰囲気を醸し出している。
映画を観に来た俺達は、上映時間まで待機していた。
「ねえねえ」
「…何」
藤枝がニヤニヤしながら小さく言った。
「あの二人カップルみたいだよね」
は。
「さーくーまー」
俺は比乃と佐久間の会話を割り込むように呼んだ。
それは許さん。
「俺もメロンソーダ」
「はいはい(笑)」
比乃に佐久間は渡さねー。
佐久間に比乃も絶対渡さねーけど。
とにかくケラケラ横で笑ってるこの枝がうざい。