同居相手は黒猫くん




「あ、比乃ちゃんだー」








廊下で声を掛けられた私は、くるりと振り返る。


そこにはジャージ姿の室谷先輩が笑顔で立っていた。









「室谷先輩っ」



「どこ行くの?」



「あ、買い出しです!絵の具がなくなって……」





今のところ必要なのは絵の具だけらしい。


やっぱり絵の具って予想より使う量多いことあるよね…。






すると室谷先輩はひらめいたように口を開いた。









「それなら俺のクラスの余りあげるよ。もう絵の具使うことないし」



「え、いいんですか!?」



「うん。俺のとこコスプレ写真館だからあんま使ってないし」








それはすごく助かります…!


私は先輩の言葉に甘えて、絵の具を分けてもらうことにした。







先輩のとこコスプレ写真館かー。


まあ室谷先輩いるからコスプレとかすごく人気になりそうだな…。












「ありがとうございます!」



「いえいえ」









ニッコリと涼しげに笑う室谷先輩。



……やっぱりかっこいいなぁ。







< 139 / 283 >

この作品をシェア

pagetop