同居相手は黒猫くん
「あ、比乃ちゃんだー」
廊下で声を掛けられた私は、くるりと振り返る。
そこにはジャージ姿の室谷先輩が笑顔で立っていた。
「室谷先輩っ」
「どこ行くの?」
「あ、買い出しです!絵の具がなくなって……」
今のところ必要なのは絵の具だけらしい。
やっぱり絵の具って予想より使う量多いことあるよね…。
すると室谷先輩はひらめいたように口を開いた。
「それなら俺のクラスの余りあげるよ。もう絵の具使うことないし」
「え、いいんですか!?」
「うん。俺のとこコスプレ写真館だからあんま使ってないし」
それはすごく助かります…!
私は先輩の言葉に甘えて、絵の具を分けてもらうことにした。
先輩のとこコスプレ写真館かー。
まあ室谷先輩いるからコスプレとかすごく人気になりそうだな…。
「ありがとうございます!」
「いえいえ」
ニッコリと涼しげに笑う室谷先輩。
……やっぱりかっこいいなぁ。