同居相手は黒猫くん





「——あらあら、どうしたの?」




私はお母さんの腕の中でおいおいと泣き続ける。



「ゴキブリでも出たの?」





ゴキブリと同等だよ…!


私は鼻をずっとすすって小さな声で呟く。





「黒い獣にセクハラされた……」


「えっ?」





お母さんはきょとんとしている。


佐伯さんは今お風呂に入っているそうだ。





「…もしかして刹くん?」


「うん……。舐めてた飴を私の…口に…っ」





私はまた感情が込み上げてきて、わーんと泣き喚く。


そしてまた「あらあら〜」なんて言いながらお母さんは私の頭を撫でてくれた。





「2人共、なんだか仲良くなれそうね」






…!?

さっきの話聞いてた!?






「刹くんかっこいいし、私は義理の姉弟の恋なんて、ロマンチックで素敵だと思うわ」






ま、待って。

お母さん、何言ってるの??








「お母さん達に遠慮なく、刹くんと仲良くなってね」


「お母さん!?」





なんか、目眩がする……。





誰があんな横暴な人を好きになるもんか!!



< 14 / 283 >

この作品をシェア

pagetop