同居相手は黒猫くん
「——あらあら、どうしたの?」
私はお母さんの腕の中でおいおいと泣き続ける。
「ゴキブリでも出たの?」
ゴキブリと同等だよ…!
私は鼻をずっとすすって小さな声で呟く。
「黒い獣にセクハラされた……」
「えっ?」
お母さんはきょとんとしている。
佐伯さんは今お風呂に入っているそうだ。
「…もしかして刹くん?」
「うん……。舐めてた飴を私の…口に…っ」
私はまた感情が込み上げてきて、わーんと泣き喚く。
そしてまた「あらあら〜」なんて言いながらお母さんは私の頭を撫でてくれた。
「2人共、なんだか仲良くなれそうね」
…!?
さっきの話聞いてた!?
「刹くんかっこいいし、私は義理の姉弟の恋なんて、ロマンチックで素敵だと思うわ」
ま、待って。
お母さん、何言ってるの??
「お母さん達に遠慮なく、刹くんと仲良くなってね」
「お母さん!?」
なんか、目眩がする……。
誰があんな横暴な人を好きになるもんか!!