同居相手は黒猫くん




「か、彼氏じゃないですよっ」



「姉弟なんだってさ」



「へぇー!あの裕馬にパン投げつけた黒猫くんのー!」








そう言った茶髪の先輩を室谷先輩は軽く小突いた。



…そ、その節は本当に申し訳ないです…。












「ねね、比乃ちゃんって裕馬狙ってんの?」



「おい和也」



「いーじゃん。気になるっしょ?」











ね、どうなの?と再度私に尋ねる茶髪先輩。




……ね、狙ってるだなんてそんなことあるわけないじゃないですかっ!






「そ、そんなことないですよ!」





慌てて首を振ると、茶髪先輩は室谷先輩の方を見てニヤッと笑った。










「だってさ(笑)」



「うるせーな」









また茶髪先輩を小突く室谷先輩。




…な、なんです??







「じゃあ比乃ちゃんっ、また写真館来てね♪」





茶髪先輩はニコッと歯を見せて笑う。


私はコクリと頷いた。




明るい人だなぁ。








「じゃあ準備頑張ってね比乃ちゃん」





そう言った室谷先輩は美しい笑顔で私に手を振った。




そうだ!

私早く絵の具持って帰らないと…!








「あ、ありがとうございました!それではっ」












そう先輩方にお辞儀をして、私は急いで教室に向かった。






< 141 / 283 >

この作品をシェア

pagetop