同居相手は黒猫くん
「か、彼氏じゃないですよっ」
「姉弟なんだってさ」
「へぇー!あの裕馬にパン投げつけた黒猫くんのー!」
そう言った茶髪の先輩を室谷先輩は軽く小突いた。
…そ、その節は本当に申し訳ないです…。
「ねね、比乃ちゃんって裕馬狙ってんの?」
「おい和也」
「いーじゃん。気になるっしょ?」
ね、どうなの?と再度私に尋ねる茶髪先輩。
……ね、狙ってるだなんてそんなことあるわけないじゃないですかっ!
「そ、そんなことないですよ!」
慌てて首を振ると、茶髪先輩は室谷先輩の方を見てニヤッと笑った。
「だってさ(笑)」
「うるせーな」
また茶髪先輩を小突く室谷先輩。
…な、なんです??
「じゃあ比乃ちゃんっ、また写真館来てね♪」
茶髪先輩はニコッと歯を見せて笑う。
私はコクリと頷いた。
明るい人だなぁ。
「じゃあ準備頑張ってね比乃ちゃん」
そう言った室谷先輩は美しい笑顔で私に手を振った。
そうだ!
私早く絵の具持って帰らないと…!
「あ、ありがとうございました!それではっ」
そう先輩方にお辞儀をして、私は急いで教室に向かった。