同居相手は黒猫くん
——それからご飯とお風呂を済ませ、私は部屋に戻った。
ご飯の時も私はずっと刹(もう呼び捨てにする)を警戒していた。
私は自分のベッドで横になりながら、もんもんを頭を悩ませる。
どうしよう…。
これから先不安しかないよ……。
まさか優しい佐伯さんの息子さんが、あんなツンツンした乱暴な人だったなんて。
顔は確かに佐伯さんと似てたけど、性格は似ても似つかないんだね…。
同居するのが刹じゃなくてみっちゃんなら良かったのにぃ〜……。
……まあでも、急に環境変わったわけだし……警戒心もそりゃあるか……。
「……」
私はゆっくりとベッドから起き上がる。
そして、大きく息を吐いて自分の部屋を出た。
ーーコンコン。
私は隣の部屋、つまり刹の部屋のドアをノックする。
足が少しだけ震えているのを感じた。
「はい」
中から返事があったので、私はゆっくりと目の前のドアを開ける。
「……何」
お前か。とでも言うように、彼はベッドに座ったまま私を見上げてきて。
私はごくりと唾を飲み込んだ。
「……だいぶ片付いたね」
「一人で出来るって言ったろ」
相変わらずのトゲトゲしい言い方。
…まあ元々荷物も少なかったしね。
「あの…さ、」
私は俯いたまま、続ける。
「仲良く…しませんか…」
「は?」
「せ、せっかく姉弟になったんだし、ギクシャクするのは嫌だし……」
「ギクシャクしてんのはお前だけだけどな」
ムッ。
そ、それは刹のせいでしょうが!!