同居相手は黒猫くん
——「ふー、楽しかった!」
「次どこ行くー?」
先輩の写真館を後にした私達は廊下で歩きながら話す。
たくさんの生徒が廊下を歩いている。
「たくさんありすぎて迷うねー」
「いいよ比乃の行きたいとこ行けば」
みっちゃんはそう言いながら微笑んだ。
…う、やっぱりみっちゃんは美人…。
みっちゃんってこんなに美人なのに、
彼氏とか作らないのかな…?
よく告白はされてるみたいだけど。
と、
「わっ」
ドンッと誰かにぶつかってしまった。
私は慌ててその人に向き直り、頭を下げる。
「す、すいませんっ」
しかし返答はなく、不思議に思って私は顔を上げた。
「…柴咲…比乃」
目の前で私を見下ろす女の子。
彼女はそう呟いて、私を見つめる。
すごく可愛い子だ。
髪は綺麗なショートで、目もパッチリしている。
…あれ、なんで私の名前…。