同居相手は黒猫くん
「美味しいねー」
「もぐもぐ」
「今日はお仕事お疲れ様ー」
「もぐもぐ」
「……」
「もぐもぐ」
…たい焼きを食べるのに夢中のようだ。
私は思わずクスッと笑う。
私の為に働いてくれて、ほんとにありがとうね。
成功できたし、刹にはすごい感謝してる。
……でも少し胸騒ぎはするんだけどね。
「それちょーだい」
「えっ?」
不意にそう言った刹は、私の持っていたたい焼きに許可なくかぶりついた。
!?
「もぐもぐ……うま」
「も、もー!」
言ってくれればあげるのにっ。
ビックリしたー…。
……って、これって、
か、間接キス……じゃない?
じわじわ顔が赤くなっていくのを感じる。
きょ、姉弟だし!
そんなの気にしなくていいっ。
うんっ!
「比乃と間接キスとか興奮するなー」
「…!?」
刹はチラッと私を見て、ニヤリと笑った。
ば、馬鹿!!
からかわないでよ…っ!