同居相手は黒猫くん
もしかして、先生が来るって気付いたから離れたのかな。
刹ならありえる。
「んー」
刹は歩きながらぐーっと伸びをした。
…まだドキドキしてる。
あんなキス、初めてだ。
「比乃には刺激強過ぎたかー」
前を向いたままそう言う刹に、私はまたそれかと溜息をついた。
そこで刹はクルリと振り返る。
「でも我慢できなかった」
ニヤッと笑う刹。
かああっとまた顔が熱くなる。
「あれ?『比乃ムチャクチャにしたくなった』とかの方が良かった?」
「ば、ばか!」
ケラケラ笑う刹の背中を叩く。
…いつもの刹だ。
でも、まだドキドキしてる。
ほんとにどうしたんだろ…。