同居相手は黒猫くん
「痛っ…」
「〝皆のもの〟ってなんだよ。俺らはアイドルじゃねーっつの」
刹は先輩を鋭く睨む。
敵視してる…。
「俺らが誰を好もうが勝手だろうが。そんな権利すら奪って何が楽しいの?相当頭腐ってんな」
先輩はひどく痛そうに苦しんでいる。
手首を掴む刹の力が強くなってるんだ。
……刹、怒ってる。
「失言だったなぁ。ちゃんと室谷とかいう女たらしにも言っといてやるよ」
私は慌てて後ろから刹の制服を掴んだ。
「せ、刹っ…やり過ぎだって…」
刹はきょとんとして私を見る。
先輩は刹の気が緩んだ隙に離れた。
辛そうに泣いている先輩。
心臓が痛くてたまらない。
「…比乃?」
「な、何よ…!同情してんの!?馬鹿にしないで!!」
私を睨んで叫ぶ先輩。
他の先輩がその先輩の肩を持つ。
同情…。
どうなんだろう。
でも、そこまで傷つけられない…。