同居相手は黒猫くん
「お前、この女に何されたか分かってんの?」
刹は私を見下ろす。
私も必死で刹を見上げた。
「分かってるよ…!でも、そんなの誰にでもある感情でしょ…!?」
刹は眉を寄せた。
怖い。
痛い。
「私だって刹が誰か他の子にすっごく懐いてたら嫌だもん!」
私の精一杯の言葉に、刹は目を見開いて固まった。
自分でも口にしてやっと確信した。
刹が他の子に騒がれてるのを見てると嫌だ。
刹が他の子に懐いてたら嫌だ。
これはきっと〝嫉妬〟。
私は刹のこと
今、弟として多分見てない。
「比乃…?」
「と、とりあえず…さっきのこと室谷先輩には言わないので…」
私が言うと、先輩らは少し俯いた。